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プル型営業とは?メリット・デメリットや主な手法、営業のコツを解説

営業ノウハウ 2022.09.20

従来の営業活動は、飛び込み営業やテレアポなど顧客に直接サービスを売り込む「プッシュ」型営業が主流でした。しかし最近では顧客の興味やニーズを引き込む「プル」型営業に取り組む企業が増えてきています。今回は、プル型営業の概要に加え、メリット・デメリットや具体的な手法まで解説します。

プル型営業とは

近年では、営業担当者から話を聞く前に、顧客自らがインターネットやSNSで知りたい情報を事前に調べることが当たり前になりました。

そこで現れたのがプル型営業です。プル型営業はインバウンド営業とも呼ばれ、事前に顧客自らに行動をしてもらうことで顧客情報を得て、それをもとに営業をかけていく施策です。潜在的なニーズを引き出して購買行動を促進することで、最終的に自社商品の販売へとつなげていきます。

プル型営業とプッシュ型営業の違い

営業やマーケティングにおけるプッシュ型営業は、企業主体で営業を行う従来通りの営業スタイルのことをさしています。一方でプル型は、インターネットの普及に合わせて新しく誕生した営業スタイルでホームページやSNSで情報発信することで顧客からの接触を待つ戦略です。

言い換えるならプッシュ型は「自社が能動的に動くアプローチ」、プル型は「自社が受動的に待つアプローチ」といえるでしょう。

プル型営業のメリット

顧客の自発的行動を促すプル型営業には、プッシュ型営業にはないメリットが多くあります。ここでは、プル型営業のメリットについて解説します。

アポイントメント獲得率や商談化率の向上

プル型の営業は顧客から能動的に問い合わせをもらうため、プッシュ型の営業よりも個別相談や商談になる確率が高いです。

最初の接触ですぐに成約に繋がらなくても、メルマガやコンテンツ配信など定期的なコミュニケーションで商談率を引き上げることも可能です。

クレームを減らせる

プッシュ型のアプローチでは、自社製品に興味がない顧客にも営業をかけるため、相手が自社製品を求めていないケースも多くあります。したがって、相手から「しつこい」「めんどくさい」と感じられることがあり、クレームに発展するリスクも考えられます。

一方でプル型では、自社製品を知っていて気になっている顧客からの問い合わせが基本となるため、そのようなクレームを減らすことが可能です。

長期的な取引ができる

従来のプッシュ型の営業スタイルで、強気に売り込まれることが苦手な人は少なくありません。無理に営業をかけてしまうことで、相手が不信感を抱く可能性があります。

プル型のアプローチであれば売り込みをする必要がないため、相手から信頼されやすくなるでしょう。これにより、信頼関係を構築して長期的な取引に発展する可能性が高くなります。

プル型営業のデメリット

顧客の購買意欲を増進することに長けたプル型営業ですが、もちろん良い点だけではありません。ここでは、プル型営業ならではのデメリットについて解説します。

成約までの時間が長い

プル型は、ニーズが顕在化していない潜在層まで広くアプローチする手法であるため、購買に至るまでのプロセスが長期化する可能性があります。そのため、顧客の行動プロセスに合った的確な提案ができず、自社の強みを理解してもらう前に離れてしまうケースも少なくありません。

加えて、良好な関係を築き上げていたとしても、担当者の異動や退職時に十分な引き継ぎが行われないと関係性がリセットされてしまいます。

成果が読みにくい

プル型営業はお客様が主体となるため、成果が読みにくい点がデメリットとして挙げられます。プッシュ型営業であれば、一定のアポ率(商談化率)と成約率(受注率)によって、行動量をもとにある程度の成果が読めます。

一方で、プル型営業は即効性に欠けるため、成果が読みにくい傾向にあります。プル型営業では、長期的な視点をもって営業活動を進めることが重要といえるでしょう。

柔軟な提案が難しい

プル型は、あらかじめ見込み客となり得る顧客層を想定し、仮説ベースで施策を実行していきます。つまり、認知から購買までの施策プロセスで顧客との接点のどこに課題があるか、丁寧に検証・改善を繰り返す必要があります。

各施策の目的・目標を達成するためには、実行・検証・改善のサイクルをワンストップで進めることが不可欠です。成果にコミットするためにも、専任で対応する必要があるでしょう。

プル型営業の主な手法

一口にプル型営業と言っても、その手法は広く多岐にわたります。ここではプル型営業の手法として、最も代表的なものを5つ紹介します。

SEOで検索流入を増やす

プル型営業を導入するにあたって、自社サイトの運用は欠かせません。ユーザーの意欲を惹きつけるためには、自社のサイトにユーザーが知りたいと思っていることを記載する必要があります。

そのため、自社のサイトを検索結果で上位表示させるためのSEO対策は不可欠です。コンテンツをアップする際はキーワードや共起語を盛り込み、サイトへの流入増加を目指しましょう。

SNSで認知拡大を図る

自社サイトと共SNSも運用することで、企業の認知度アップやサービスの周知などにつながります。

主なSNS

  • Twitter
  • Facebook
  • インスタグラム
  • TikTok
  • Youtube

特にTwitterには拡散力があるため、多くの人たちに拡散してもらえれば、自社の認知度向上につながります。また、ビジュアルやデザイン性をアピールしたい企業はインスタグラムの使用がおすすめです。10代の若者をターゲットとした商品の販売をしている企業であれば、TikTokを検討するのもよいでしょう。

リファラルマーケティングで認知と流入拡大を図る

リファラルマーケティングとは、一般ユーザーが他のユーザーに向けて商品・サービスを紹介する手法です。その商品・サービスを他のユーザーが購入・利用することで、紹介したユーザーにお礼として報酬が支払われます。

口コミ紹介の際に使用されるツールとして「LINE」「invy(インビー)」などが挙げられます。SNSも、リファラルマーケティングにおいて有用な手法の1つです。

セミナーで情報提供しながら商談化を図る

プル型営業には、オンラインでセミナーを開催してお客様が求める情報を提供する方法もあります。Webでセミナーをする場合は「ウェビナー」と呼ばれ、後半部分に自社のサービスを告知することが可能です。

お客様からの希望があれば、ウェビナーの後にオンライン商談もすることができるでしょう。

メルマガで情報提供しながら商談化を図る

自社Webサイトに訪れて資料のダウンロードをしたお客様には、メールというチャネルで情報提供を続けることができます。資料ダウンロードのためにメールアドレス登録を必須にすれば、メールマガジン兼顧客リストの作成も行うことができるでしょう。

ただし、あくまでもこれはあくまでプル型営業の手法です。そのため、必要な情報を配信する際の設計は十分に行う必要があります。

プル型営業を行う際のコツ

今まではプッシュ型のみ行っていたものの、今後はプル型営業も取り入れていきたいという方も多いでしょう。ここでは、プル型営業を行う上での2つのコツについて解説します。

プッシュ型営業とのバランスを考える

プル型営業を進める際は、プッシュ型営業とのバランスを考えましょう。

プル型営業は結果が出るまで時間がかかる営業方法です。一方でプッシュ型営業は早期に成果を出すことが可能なので、「今すぐ」客にアプローチするにはプッシュ型営業が適しています。

プッシュ型とプル型の2つの営業スタイルをバランスよく行うことで、それぞれのデメリットを補い合えます。

部署を超えたチーム連携を行う

プル型営業は、プッシュ型営業のような個人プレーによる成果は得られません。情報をシェアしたり効果を検証したりして、チームで協力し合わなければ成果につながらない営業方法です。

営業部署内にインバウンドチームとの連携担当を置くなどして、部署を超えた協力体制を整えることが理想です。

まとめ

近年の傾向では、顧客は自ら行動してインターネットやSNSで知りたい情報を事前に調べることが当たり前になりました。そのため、従来の営業手法では成果が上がらないことも少なくないでしょう。そのため、時代に合わせた営業活動を考えるならばプル型営業がおすすめです。しかし、導入や運用には知識と経験が必要になってくるため、導入初期は代行サービスに委託するのもよいでしょう。

プル型営業の導入をお考えの場合は、弊社へのご依頼をご検討ください。弊社では3,000社以上のサポート実績があり、インサイドセールスに向けた課題解決策の提案などを行っています。営業に必要なレポートや人的リソース、ITツールのサービスをパッケージ化してお届けしますので、営業代行サービスをお探しの際は、資料請求もしくはお問い合わせください。

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